フィラメントを使った造形の失敗は、ほとんどが少数の原因から起こります。1層目、温度、湿気、ファン、そして素材そのものです。このガイドでは、よくある失敗を取り上げ、使っているフィラメントに応じて最初に確認する点を説明します。
反り: 角が持ち上がる
プラスチックは冷えると収縮します。造形物の底面がほかの部分より速く冷えると、応力で角がベッドから浮きます。ABS、ASA、ナイロン、ポリカーボネートで典型的な失敗です。
- エンジニアリング系の素材は、すき間風のない密閉型プリンターで造形します。
- 素材のページにあるベッド温度を使い、表面はイソプロピルアルコールで拭きます。
- ブリム(brim)を付け、設計の鋭い角は丸めます。
- 最初の数層は、造形用ファンを弱めます。
糸引き(ストリンギング): 部品の間に糸が張る
空間をまたぐように、細いプラスチックの糸が張る現象です。移動中にノズルから材料が垂れると起こります。PETGとTPUが最も出やすい素材です。
- フィラメントを乾燥させます。湿気があると糸引きが何倍にも増えます。乾燥時間は、フィラメントの乾燥のガイドで確認できます。
- ノズル温度を、データシートの範囲の低いほうへ下げます。
- テスト用のタワーでリトラクションを調整します(長いリトラクションに弱いTPUを除く)。
- スライサーで、外周をまたがない移動の設定を有効にします。
1層目が付かない
- ベッドの水平と、ノズルとベッドの距離を確認します。最も多い原因です。
- ベッドを掃除します。指の油でも、PLAは付かなくなります。
- 素材のページにあるベッド温度を使います。
- 1層目は、ゆっくり、やや厚めに造形します。
象の足
最初の数層が、ほかの部分より広がって出る現象です。ノズルがベッドに近すぎるか、ベッドが熱すぎることが主な原因です。1層目の高さを少し上げるか、ベッドの温度を数度下げるか、設計の底面に小さな面取りを加えてください。
押し出し不足と、壁のすき間
- ノズルが部分的に詰まっていないか、摩耗していないかを確認します。カーボンファイバーのような研磨性のある素材では特に重要です。
- 高速で造形している場合は、ホットエンドが溶かせる流量を超えているのかもしれません。速度を下げるか、温度を上げてください。
- フローを校正します。
層が剥がれる(層間剥離)
前の層に届くときにプラスチックが冷えすぎていると、層間の接着が弱くなります。ノズル温度を上げ、ファンを弱め、エンジニアリング系の素材ではプリンターを密閉してください。すき間風のある環境で造形したABSやASAでよく起こります。
ノズルの詰まり
- 密閉型のプリンターでは、PLAが早めに軟らかくなって詰まることがあります。扉を開けて造形してください。
- 柔軟フィラメントは、ボーデン式のエクストルーダーや長いリトラクションで詰まります。
- 充填材入りのフィラメントには、0.4 mm以上のノズルが必要です。
FAQ
3Dプリンターの失敗についてよくある質問
3Dプリントの造形物がベッドから剥がれるのはなぜですか。
ほとんどは1層目が原因です。水平、ノズルの距離、ベッドの汚れ、その素材に対してベッド温度が低いことなどです。ABS、ASA、ナイロンでは、密閉されたチャンバーがないことも原因になります。
PETGの糸引きを防ぐにはどうすればよいですか。
フィラメントを乾燥させ、温度を数度下げ、リトラクションを調整します。PETGは、PLAよりもやや糸を引きやすい素材です。