ASAフィラメントの物性
スペイン、ヨーロッパ、米国、中国のメーカーが公開している 15 件のデータシート を基にしたデータです。確認日: 2026年10月26日。 網掛けの帯は公表値の中央値、色の細い線は個々のデータシートを表します。目盛りはライブラリー全体で共通なので、素材どうしをひと目で比べられます。
ASAフィラメントの造形温度とプリント設定
| 項目 | 一般的な値 | データシートの範囲 |
|---|---|---|
| ノズル | 240–270 °C | 220–280 °C |
| ベッド | 90–102 °C | 70–115 °C |
| 造形速度 | 40–200 mm/s | 20–250 mm/s |
| 乾燥温度 | 80 °C | 70–85 °C |
| 乾燥時間 | 8 h | 7–12 h |
ASAとABS、PETG、ポリカーボネートの比較
各素材のデータシートの中央値です。素材をクリックすると、全体の範囲を確認できます。
ASAフィラメント1スプールの長さ
データシートの密度の中央値(1.07 g/cm³)で計算しています。実際のスプールは、直径の公差によって数メートル前後する場合があります。
ASAフィラメントとは
ASA(アクリロニトリル・スチレン・アクリレート)は、ABSと同じ系統の熱可塑性プラスチックです。違いは、粘り強さを与えるゴム成分にあります。ABSは日光で劣化するブタジエンを使い、ASAはそれに耐えるアクリルゴムを使います。そのため産業界では、ミラー、グリル、屋外用の筐体、ガーデン家具などに使われています。
繊維入りの種類を除く、分析した15件のデータシートでは、ノズルが240–270 °C、ベッドが90–102 °Cで造形します。
ASAの耐UV性と耐候性
この素材の存在意義です。ABSは数か月日光に当たると黄変してもろくなりますが、ASAは色と物性をよく保ちます。さらに耐熱性もあり、0.45 MPaでのHDTの中央値は96 °Cです。自動車部品、屋外用のブラケット、植木鉢、自転車の部品、センサーの筐体に自然な選択肢です。
ASAとABSのどちらを選ぶか
| ASA | ABS | |
|---|---|---|
| 屋外と日光 | 非常に良い | 悪い、黄変する |
| 造形のしかた | 密閉チャンバーと加熱ベッド | 同じ |
| アセトンによる平滑化 | 可能 | 可能 |
| 価格と色 | やや高い | 安く、色も豊富 |
屋内で使う部品ならABSで足ります。日光に当たるなら、ASAです。
ASAフィラメントの造形方法
- 密閉型のプリンター。 ABSと同じく冷えるときに収縮し、チャンバーがないと反りと層間の亀裂が出ます。
- 加熱ベッドはデータシートの範囲に合わせ、角のある部品にはブリム(brim)を付けます。
- パーツ冷却ファンは弱めにし、ブリッジのときだけ強めます。
- 換気: スチレン系の素材はすべて、造形時に蒸気を出します。
- 乾燥: 記載のあるデータシートでは、80 °Cで8 hが目安です。
ASAフィラメントについてよくある質問
ASAは何度で造形しますか。
データシートの中央値は、ノズルが240–270 °C、ベッドが90–102 °Cです。メーカーが示すノズル温度の範囲は220–280 °Cです。
ASAは日光に耐えますか。
耐えます。それがABSに対する最大の強みです。紫外線と屋外の環境に強く、ABSのような早さで黄変したり、もろくなったりしません。
密閉型プリンターなしでASAを造形できますか。
小さな部品を、注意して造形する場合に限ります。中型や大型の部品では、反りと亀裂を防ぐために密閉チャンバーが必要です。